潮流が速いために海水中に浮遊する泥分(浮泥)が多く、いつも濁っているのが有明海の特徴です。しかし、潮流が遅くなって浮泥が沈み、海水の透明度が上がったことで、日光を好む赤潮プランクトンが増殖しやすくなりました。また、浮泥の堆積で海底の土砂は以前より細かくなり、適度な砂地を好むタイラギのような生物が生息しにくい環境に変化してしまいました。 |
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浮泥は栄養塩を吸着・放出するため、海水中の栄養塩の量が極端に増減しないように調整する働きもあります。浮泥は日光を遮断し、栄養塩を吸着することで、赤潮が発生しにくい形で栄養塩を養殖ノリまで運んでいたのです。 | |||
諌早湾の閉め切り以降、有明海の海底の土砂が急激に細かくなりました。タイラギの幼生は有明海を回遊した後に、諌早湾口部など適度な砂地の海底に定着していましたが、生息に適した場所が少なくなり、減少の一途をたどっています。 | |||
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