諫早湾の野鳥が激減----農水省調査発表
諫早干拓問題に関する現地(長崎/諫早)での新聞報道を紹介します。
・西日本新聞11/19 諫早湾 野鳥7割減 周辺干潟へ分散 農水省調査
・読売新聞 11/19 秋の渡り鳥10分の1 大型、希少種が激減 諫早湾干潟
農水省の調査で、今年秋に諫早湾に飛来した野鳥の数が、堤防閉め切り工事前の7割減、7年前のピーク時に比べると、10分の1に減少していることがわかった。ただ、有明海の周辺地区では逆に野鳥が増え、諫早湾を含めたその総数は工事前を上回っている。農水省は「予想通り、諫早湾の野鳥が周辺の干潟に移った」と説明している。
しかし、大型のダイシャクシギや希少種のホウロクシギは周辺と合わせても昨年秋の半分程度しか見られず、日本野鳥の会では「長期的な影響が心配」と指摘している。
る。
干潟=生息地がなくなってしまった諫早湾の野鳥の数が激減することも、一時的には周辺の干潟の野鳥の数が増えることも、農水省に言われるまでもなく「予想通り」のことでしょう。干拓や埋め立てという最悪の事態になっていない周辺の干潟でも、その自然環境は次第に悪化しており、ゴカイなどの野鳥のエサも減少しているようです。急激な野鳥の増加によって一気に生態系が崩れてしまう可能性もあると思います。
環境の変化に影響を受けやすい大型種や希少種の半減は、今後長期的に予想される悪影響の前触れとも言えるのではないでしょうか。次の「予想通り」が私の「予想」の方でないことを祈ります。
矢嶋 悟(諫早干潟緊急救済東京事務所ボランティア)