決してあきらめないで!
ダニエル・ビアード氏来諌
環境保護団体「全米オーデュボン協会」副会長で、アメリカ内務省開墾局元総裁であるダニエル・ビアード氏が3月29日来諌、「湿地をめぐる世界の潮流」と題する講演会を諌早・高城会館で行った。ビアード氏は「見直しの運動は世界中から支持されている。だから決してあきらめないでほしい」と干潟見直しの運動を激励した。
ビアード氏は内務省開墾局時代「アメリカにおけるダム開発の時代は終わった」と宣言、大型ダムによる水資源政策を改めた人物として知られる。
ビアード氏は講演で「諌早湾の(干拓事業において)流れは、アメリカが水資源開発でたどった道と同じ」とし、諌早の現状を「推進派は干拓事業における効果を過剰に、コストを過少に報告しているはず」と的確に言い切った。そして「どのような形であれ、このプロジェクトを正当化する理由はない」と断言した。さらには「このプロジェクトを提案したり推進をしている人たちは、いずれ恥ずかしい思いをすることになるだろう」と、世界の流れに逆行する諌早干拓を非難した。
ビアード氏は諌早での講演に先立ち、名古屋の藤前干潟、福岡・和白干潟といった、諌早同様に公共事業で破壊されつつある干潟に立ち寄り、講演を行っている。講演後、ビアード氏は「日本の首相・環境庁長官に諌早干潟を保護するように手紙を書く」と語っていた。
*イサハヤ干潟通信第8号より転載*