前号で紹介したように、諌早湾を考える議員の会は昨年の質問主意書に引き続き、再度の質問を内閣に提出した。昨年12月25日、議員の会はこの質問の趣旨について農水省構造改善局に説明する会議を持った。

 説明に立った社民党の秋葉議員はそれぞれの質問について詳細に説明、前回の矛盾に充ちた回答では納得できないと念を押した。参加した農水省官僚は、顔を青ざめさせながら熱心に記録を取っていたのが印象に残った。

 実は、この質問主意書の回答日は12月20日を期限としていたのだが、農水省から1月20日までの猶予を欲しいということで、この日の説明となったものである。そういう意味からも今回の回答は前回のような矛盾に充ちた通り一遍の回答では納得ができない。通常国会は1月12日から開会された。実質的な論戦は1月下旬から2月にかけて行われるが、議員の会の奮闘が望まれる。

 緊急救済本部では、昨年夏から研究を重ねていた学者グループのレポートがまとまり、今月中にも出版される。これらの科学的な反論とあいまって論戦が活発化することが期待されている。

 また、自然の権利裁判第7回の公判が1月27日に開かれるが、この時も前回に引き続き田村元所長が証人台に立つことになっている。田村元所長は12月の公判後、肩たたきに会い農水省を退職させられている。ただの人になった元所長が前回に引き続き、どのような証言をするのか興味深いところである。

 田村元所長の前回の証言は、5月、7月の大雨の時は洪水だったにで自然排水は出来ないとか、諌早大水害を二度と起こさないなどとは言ったことはないなど、重要な証言をして、農水省構造改善局に衝撃を与えている。偽証罪にも問われかねない今回の裁判の経過は通常国会でも大きな問題になるだろう。  

 *イサハヤ干潟通信第5号より転載*


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