諫早湾干拓の見直し活動をしている人たちのほとんどがそうであったように、昨年は私たち夫婦にとっても特別な一年だった。同じ目的で汗を流す人たちに囲まれ、生きている事の意味を考え続けた一年でもあった。しかし何の疑いもなく生きてきた日本という国に限りない絶望感を持ったことは致命的で、ほとんどの政治家はうわべだけで、自分で勉強をするということはまずないと言うことも知ってしまった。

 裁判等で諫早湾の事はかなり明らかにされつつある。しかしどんなに正しい事が明らかになってもそんな事とはおかまいなく、政治家は毎日シレーッとして政治をしているし、「命の大切さ・人に優しい・人と自然の共生」なんて耳ざわりのいい言葉をまき散らしながら経済と言う価値観のもとにはすべてかなぐり捨てて、ものすごい形相で団結する。「なあーに、都合の悪い事が出てきた時には、みんな揃ってコメツキバッタのように頭をさげてりゃ済むことサッ」。テレビ等で見る政治家の不可思議な笑みが、そのように見えるのは私だけではないだろう。政治にも世の中にも人の心がシラケていくのは当然の事だ。 この一年走り回った私の後頭部には、世の中の不景気にもめげず5円、10円・・・500円と高金利で拡大を続けていく名誉のハゲチャンが居座り続けている。諫早湾を考える議員の会の会員が96人になったそうだ。あと何人集まれば水門は開くのかな?

 *イサハヤ干潟通信第5号より転載*


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