11月26日、また又「冠水被害!」
ここ数日不安定な天気が続いていた諫早地方では、11月25日から雨が降り始め、26日未明には雷を伴う豪雨となった。雨は26日6時ごろには上がったが、また又例のごとく、干拓地では冠水が観測された。
10時前から12時過ぎにかけて森山・吾妻・小野・河内の各干拓地を見てまわった。「常習地帯」森山役場近くでは、田植え期のように水を張った水田が見られた(田は水を落としてあるので、水が張っていれば冠水)。二反田川の水量は増えていたが、氾濫するほどの水位ではなかった。
吾妻、森山国営でも同様の冠水。各樋門を見て回ったが、自然排水は良好であった。またポンプは下名・黒崎で午前中まで回していたようだ。しかしあちこちの農道上に、藁が流れた跡が見られ、明け方までは道路の冠水もあったようだ。雨のピークは26日未明であり、私が回った頃はすでに水が引き始めた状況であったと思われる。
何度も何度も指摘されていることであるが、冠水を解消し、彼等農民の目的「単価の高い野菜栽培をする」ためには、自然または強制排水うんぬんではなく(ゆえに潮の干満など関係なく)、地盤改良(暗渠の整備や客土など)や河川・水路の整備などが先なのではないか。余談だが、各樋門にある「招き」(満潮時に海水が逆流しないようにする弁)が、森山国営では開けっぱなしになるように紐で吊ってあるが、吾妻では締切前と同様に満潮時には閉まるようになっている。つまり7月の大雨による内水位の上昇と干拓地への水の逆流を経験した吾妻の農民は、もう潮受堤防の「防災効果」など信用していないということ。
今回の大雨は諌早で総雨量202ミリ、最大時間雨量67ミリを記録。諌早大水害の足元にも及ばないが、時間雨量では7月の大雨を超えている。先日「自然の権利裁判」で干拓事務所長が「湛水時は潮受堤防の防災効果なし」旨証言したが、今回も「湛水時なので、効果なくてあたりまえ」と言うのだろうか。はたまた「水の引けがよくなった」と「わずかな効果」を「大本営発表」するのだろうか。
冠水被害は締め切り後6回目となった。 (諌早干潟緊急救済本部・前田)