1月28日の海上デモと街頭行動
1月28日に行われた諫早湾干拓事業に対する、漁業者と市民グループの抗議行動を、新聞各紙の報道や現地からの報告をとりまとめてお伝えします。
●漁船1300隻による閉め切り以降最大規模の海上デモ
1月28日の午前、諫早湾干拓事業に抗議して行われた、福岡、佐賀、熊本の3県の漁連と長崎県の一部の漁協による海上デモは、漁船1300隻、6000人が参加。今年に入って3回目の海上デモは、1997年の諫早湾閉め切り以降、最大規模のものとなりました。
諫早湾潮受け堤防の前に集結した漁船は1.5kmの隊列を組み、漁業者らは拳を振り上げながら「宝の海を返せ」「水門を開けろ」などとシュプレヒコール。大漁旗や抗議ののぼりがはためくなか、有明海漁連の荒牧巧会長が「水門開放、工事中止、影響調査の実施」を求める抗議書を、船上で川島久義・諫早湾干拓事務所長に手渡しました。
海岸からも市民グループや漁業の婦人部など700人が、横断幕を広げて応援。漁業者らの決起文と、市民団体の連帯を呼び掛けるビラを交換する一幕も。諫早干潟緊急救済本部の山下八千代代表も、昨年7月に死去した山下弘文前代表の遺影を抱いてデモを見守りました。
●街頭での模擬住民投票では見直し747人、推進9人
同日午後には長崎市内の繁華街で、諫早湾「一万人の思い」実行委員会や日本野鳥の会長崎県支部などの主催によるアピール行動も行われました。
この街頭行動では、通りを歩く人々に呼び掛けて諫早湾干拓の是非を問う「模擬住民投票」を実施。投票は「見直し」と「推進」に分かれたパネルのいずれかの側にシールを貼ってもらう方法で、「諫早湾干拓をどう思うか」という質問に、747人が「見直しが必要」、9人が「計画通り推進」、10人が「分からない」との結果になりました。また、参加者の一人は「有明海のノリ」に扮して、養殖ノリの不作被害は諫早湾干拓の悪影響であることを訴えました。