報道ダイジェスト 2000年7〜8月

諫干の造成地活用 国などと協議へ
 7月4日の長崎県農林水産委員会で八江利春委員(自民)は「スポーツ、研究施設など諫早干拓地の多面的な活用を」と指摘。白浜重晴農林部長は「営農構想検討委の提言を踏まえ国などと協議したい」と応えた。 【長崎新聞】

本明川の被害対策着々 内水排出力を増強
 7月7日、建設省長崎工事事務所は諫早市を流れる本明川の内水対策の進捗状況を発表。排水機場の増強工事と排水ポンプ車2台の配置が完了し、川底の掘削は予定の6割近くが終了。同事務所では諫早湾干拓事業の防災効果は「諫早の市街地には効果がない」という。 【朝日新聞】

●諫早湾干拓「県の財政支出は違法」住民が監査請求
 7月19日、諫早湾干拓事業に対する長崎県の国への負担金支出は違法として、「自然の権利」基金長崎のメンバーら90人が、1999、2000年度に支出した負担金の返還と、今後の負担金の支払い差し止めを求める住民監査請求を同県監査委員に行った。 【西日本新聞ほか】

●世界の環境活動家が一堂に 日本から黒田さんら参加
 7月13日、ゴールドマン環境賞の歴代の受賞者が米サンフランシスコに集まり、国際的な観点に立った環境問題への取り組みを話し合った。日本からは1991年に受賞した「熱帯林行動ネットワーク」事務局長、黒田洋一さんと、98年に受賞者した「日本湿地ネットワーク」代表、山下弘文さんの2人が参加した。 【共同通信】

諫早干潟緊急救済本部代表の山下弘文氏死去
 7月21日、諫早湾干拓事業見直し運動の先頭に立ってきた山下弘文氏(66歳)が午前5時30分ごろ、急性心不全のため長崎県諫早市の自宅で死去。 【朝日新聞ほか】

山下さんの告別式に国内外から300人
7月22日、山下弘文さんの葬儀・告別式が諫早市内の斎場で営まれ、韓国湿地保全連帯会議の金敬源事務局長ら国内外から干潟保護運動の関係者など約300人が参列、山下さんの冥福を祈った。 【西日本新聞ほか】

諫干中央干拓地で初の緑肥作物試験栽培
7月27日、干拓事務所と県は中央干拓地の試験ほ場で土壌づくりを目的とした緑肥作物の種まきをした。同事務所などは、小江干拓地で作物の栽培実証を進めているが、中央干拓地とは土壌の状況が異なっており、今後はより本格的な営農試験に入ることになる。 【長崎新聞ほか】

諫早湾干潟再生実験場 シチメンソウ定着せず
8月8日、干拓事業に伴う環境モニタリング調査を評価する諫早湾干拓地域環境調査委員会が、諫早市で開かれた。諫早湾干拓事務所は実験場で栽培していたシチメンソウが定着しなかったことなどを報告。また、昨年度の環境調査の結果、シギやチドリといった渡り鳥が周辺地域で激減していることが報告された。 【西日本新聞ほか】

赤潮発生でアサリ全滅 小長井町沿岸の諫早湾
 長崎県・諫早湾など有明海全域で、8月に入って赤潮が発生、同県小長井町沿岸では養殖アサリがほぼ全滅したことが8月17日、分かった。被害額は約2億5000万円。諫早湾干拓事務所は「今年は晴天続きで海水温が上昇したことなどが赤潮の原因ではないか。干拓事業との因果関係は何とも言えない」としている。 【共同通信ほか】

●諫早でオランダの干拓紹介「批判イベント?」と勘違い
 諫早市の第三セクター「ゆうゆうランド干拓の里」の干拓資料館で、「世界の干拓 オランダ」展が開かれている。同展では環境や財政難から干拓が途中で中止された「ゾイデルゼー計画」も紹介。副島宏行・同市助役が8月22日「諫早湾干拓事業への批判か」と驚き、急きょ視察に訪れる一幕があった。 【朝日新聞ほか】

宝の海・有明海シンポジウム 1000人参加
 8月26日、有明海沿岸の4県と大分県の5県主催による「宝の海・有明海シンポジウム」が佐賀市であった。諫早湾干拓事業による湾奥閉め切り後のタイラギ不漁に苦しむ竹島好道・大浦漁協組合長は「因果関係の究明を求めたい」と述べた。 【毎日新聞】

潮受け堤防道路早期完成を 促進協設立総会
8月28日、諫早湾干拓堤防道路整備促進協議会の設立総会が諫早市で開かれ、潮受け堤防の管理用道路を一般道路として整備する事業の早期完成を求めることを決めた。2003年度の完成を目指し、本年度中に着工する予定。総事業費は25億円。 【西日本新聞ほか】

赤潮被害で小長井町漁民が県に要望
8月31日、今月初めから諫早湾で発生している赤潮の為に養殖アサリが壊滅的な被害を受けた北高来郡小長井町の漁民が、長崎県の金子知事に漁民への財政支援や漁場の調査、それに諫早湾干拓地周辺の水質改善などを求める要望書を提出した。 【テレビ長崎】


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