流れを変えよう! イサハヤ干潟通信1月号より 山下弘文(諫早干潟緊急救済本部) 明けましておめでとうございます。20世紀最後の年が始まりましたが、今年はどんな年になるのか、大変、興味があります。しかし、自分自身が何もしないで、他人任せでは時代は変わらないことも事実です。ひとり一人の人間の力は弱くとも、持続すること、協力することにより、新しい時代としての21世紀を築くことが出来ると考えます。 昨年暮れの朝日新聞30日号に小さな記事が掲載されていましたが、お気づきでしょうか。北京29日=中国総局発の「埋め立て中断を指示」という記事です。 『中国広東省の廬端華省長はこのほど開かれた同省海洋工作会議で「あらゆる海の埋め立て工事を、まず中止させよ。厳しく調査した後、生態系への影響がないもののみ、工事を再開させる」と命じた。無計画な埋め立てが横行し、海岸の環境がひどく破壊されているためだ。羊城晩報紙によると、盧省長は「数年、数十年後にはたぶん取り返しのつかない場合がある」と指摘。実際にスワトウ港は、埋め立てのしすぎで、潮の流れが弱くなり、汚染がひどくなっている、という』 昨年の韓国政府の「湿地保全法」の施行。そして今回の中国政府の歴史的な方針転換。まさにJAWANのビデオ「'99日本の湿地―時代は変わる」を地で行くような出来事だといえるでしょう。それに比較して日本の現状は藤前干潟が保全されたとはいえ、世界の潮流からは、大きく遅れを取っているといわざるを得ないでしょう。 残念ながら、日本は東南アジア諸国に追いつくことを目標にせざるを得ないのでしょうか。12月に諌早湾干拓事業を取材に来た韓国KBSのスタッフは「諌早湾干拓事業の現状と運動を正確に韓国のみなさんに伝えたい。日本の過ちを韓国で繰り返さないために」と、語っていました。 今年は時代を変える絶好のチャンスです。現状に溺れず「何をやってももう遅い」などの後ろ向の考えは、この際、私たちの言葉から絶滅させなければならないと考えます。 まず、自分からと気を引き締めています。 (イサハヤ干潟通信 2000年1月号より)
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