仁反田川広域一般河川改修工事パンフレット

 長崎県森山町の二反田川(仁反田川)が、諫早湾干拓の調整池に注ぐ河口部にある「万灯樋門」の改修工事が、諫早土木事務所(長崎県)により2001年秋現在、急ピッチで行われています。この下流部は大雨のたびに浸水する地域で、諫早湾干拓事業による水位調整後も解消されていません。諫早土木事務所の担当課長によると、既存の樋門の断面が流下水量に対して足りないそうです。二級河川のため管理は長崎県が行っており、事業費は約10億円。203haの氾濫防止面積の大部分において、2年に一度の確立で浸水が想定されています。

 
万灯樋門と周辺の工事(2001年8月撮影)

 このように、諫早湾干拓事業は低平地の排水不良対策としては十分であり、樋門の整備や排水路の拡幅など、周辺では干拓事業とは別の防災工事が進んでいます。私たちはかねてより、こうした本来的な防災工事を早急に行うべきであることを提言し、干拓事業に頼ることなく実現可能な干潟環境の保全と地域の防災対策の両立を求めています

 以下、パンフレットから事業の概要を転載します。

*パンフレットの写真をクリックすると原寸大の画像がご覧になれます。


仁反田川広域一般河川改修工事 万灯樋門改築工事

諫早土木事務所
〒854-0071 諫早市永昌東町25-8
TEL0957-22-0010(代)・FAX0957-23-7339

 仁反田川系は、周囲を五穀岳(EL.136.8m)、獅子喰岳(EL.240.5m)等起状の多い丘陸地に囲まれています。その源は南部丘陸地帯の位牟田盆地に発し、盆地からほぼ北に向かって山間部をながれ、平野に達して長走川を合流して古くから宅地開発された水田地帯を北流し有明海(現在は諌早湾干拓工事により埋め立て中)に注ぐ、流域面積9.75km2、流路延長5.8kmの2級河川です。
 下流の平地部は、旧来より干拓造成された水田地帯ですが、有明海の満潮時には海面が仁反田川下流端付近の地盤高より高くなり、樋門による調整、強制排水が実施されてきました。同時に仁反田川下流部では浸水被害が頻発し、昭和32年、56年、57年の仁反田川氾濫を契機に昭和59年より治水事業が行われており、現在、水門及び橋梁工事を残すのみとなっています。

基本諸元
項目     二反田川小規模河川改修工事(S59〜現在)
計画規模   1/30
改修区間   本明川合流点(0k000)〜三ツ橋上流(0k900)
洪水対象流域 110m3/S
計画時間雨量 1時間90.9mm
氾濫防止面積 203ha

事業の目的

 仁反田川は、国営諫早湾干拓事業の調整地に流入するため、調整池水位の逆流防止のため水門を設けるものです。
 国営諫早湾干拓事業とは、長崎南東部に位置する諫早湾々奥部諫早市他4町の地先海面(3,550ha)を潮受堤防により締め切り、調整池及びそこを水源とするかんがい用水が確保された大規模で平坦な優良農地(1,400ha)を造成し、生産性の高い農業を実現するとともに、背後低平地において、高潮、洪水、常時排水不良等に対する防災機能を強化することを目的とするものです。


緑豊かなわたしのふるさと森山町

森山町は長崎県の南東部、島原半島の入口に位置し、北には干潟で有名な有明海、南には橘湾と、二つの海に囲まれた風光優美な町です。
 地形は南北にやや長い長方形。東は有明川を境として愛野町に、西は諫早市に接して、北緯32度49分、東経130度9分に位置しています。
 東西約4キロメートル、南北約6キロメートル、総面積23.26平方キロメートル。中央部にある標高227メートルの星ヶ原を中心に、北部には丸山、備後崎、万灯山などの丘陵が有明海に向かって突き出しています。これらの山際がかつての海岸線でした。ここから数次にわたって干拓造成された水田地帯が広がり、長崎県最大の穀倉地帯・諫早平野の一部になっています。


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