諫早湾自然の権利訴訟 1999年10月23日現地検証指示説明書

(9)大島
原告側
指示説明
 大島から森山干拓地をみることができる。
 森山干拓地は最も低い干拓地である。この地域では排水不良であり、潮受堤防により排水が悪化した。
 本件干拓地には耕作放棄地多数ある。
被告側
指示説明
 国営諫早干拓は、営農計画を水田として昭和39年に完了している。大島付近には一部未利用地とみられる水田があるが、減反の実施のため水稲の作付けを見合わせているものである。
(10)JA諫早カントリーエレベーター
原告側
指示説明
 干拓地に設けられた施設である。軟弱地盤に起因する不等沈下の状況は明らかである。
被告側
指示説明
 当該建築物は、昭和61年3月に完成しており、基礎は良好な地盤まで上部構造の荷重を伝達させる杭基礎工法により行われており、建物本体及びフロアの沈下は見られない。
 建物の周囲は沈下しているが、沈下はほぼ全体的に発生しており。不等沈下ではない。また、この沈下は潮受堤防締切り以前から発生しており、潮受堤防締切りによる影響とは認められない。
(11)万灯樋門
原告側
指示説明
 二反田川河口である。かつては、この場所からも多くの漁師が漁に出かけていた。 既存堤防の損壊箇所が至るところにあり、既存堤防が管理されないまま放置された状況がある。二反田川はしばしば溢水被害が生じたのであるが、貧弱な樋門のまま放置された。これらは潮受堤防ができれば必要なくなると言うことで過去、補修が放置されてきたのである。
被告側
指示説明
 パラペット下端と舗装面とには約35メートルにわたって約35センチメートルの隙間が生じているが、これは潮受堤防締切り以前からのものであり、潮受堤防による諫早湾の締切りにより沈下したものではない(甲第二八号証写真7参照)。


JA諌早カントリーエレベーター前景


地盤の沈下(U字型ブロックを置いた部分)


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