2005年7月23日の島村農水大臣の諫早湾干拓事業視察に関連し、諫早湾干拓事業に反対する4団体は、下記の通り声明を発表し、農水省農村振興局とマスコミ各社に送付しました。
2005年 7月25日
【抗議声明】
「反対する人の気持ちが分からない」との島村農水大臣の発言に強く抗議する。農水大臣は、諫早湾干拓事業に反対し有明海の再生を求める漁業者や市民の声を真剣に聞け!
有明海漁民・市民ネットワーク
諫早干潟緊急救済本部
諫早干潟緊急救済東京事務所
「よみがえれ!有明訴訟」を支援する全国の会
昨日、島村農水大臣は、諫早湾干拓事業の工事現場を視察し、「予想以上に良くできている。反対する人の気持ちが分からない。九カ月のブランクはあったけれども、何とか取り戻したい」と発言したと報じられた。(西日本新聞他)
私たちは、諫早湾干拓事業に反対する者として、大臣の発言に強く抗議する。
私たちは、これまで何度も、反対する者の気持ちを伝えるため、農水大臣に直接面会することを求めてきたが、それを拒んできたのは、農水大臣であり、国である。
今回の視察も、二日前の7月21日に急遽発表されたものであるが、事業に反対する漁業者や市民は、視察の現場に駆けつけ、大臣に対し、反対する者としての気持ちを伝えようと努力した。
しかし、視察現場での大臣の行動は、まさに人目をはばかるかのようであり、待ちかまえた漁業者や市民に顔も見せず「逃げるように帰って行った」というのが、実際に現場に駆けつけた者の率直な印象である。
大臣は、極めて限られた時間の中で、潮受堤防や試験圃場に立ち寄り、都合の良いところだけをPRしたあげく、「事業が公正に運ばれることを期待している」などと述べたようである。しかし、事業を公正に運営すべき責務を負っている事業主体の長が、他人事のように「期待している」などと発言すること自体、許されないことである。
それにも増して許し難いことは、水産行政のトップであるはずの大臣が、深刻な漁業被害に苦しむ漁業者の声が、「理解できない」と言ってはばからないことである。これは、農水大臣としての資質に関わる大問題である。
大臣が、本当に「反対する者の気持ち」を理解するつもりがあるならば、私たちは、どこへでも出向き、大臣と直接、話し合う用意がある。
私たちは、島村農水大臣に対し、私たちと直接話し合う場を設けることを、改めて要求するものである。
以 上