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第7回有明海・不知火海フォーラム in 天草
7月31日〜8月1日、熊本県本渡市で開催

有明海・不知火海沿岸の環境保護団体や漁業者が連携して、1998年以来、毎年開催されている有明海・不知火海フォーラム。第7回となる今年は7月31日(土)〜8月1日(火)の2日間、熊本県本渡市で下記の通り開催されます。また、同フォーラム実行委員会では、5月10日に亀井農水大臣に、諫早湾の中・長期開門調査見送り方針の撤回を求める申し入れを行いました。


第7回有明海・不知火海フォーラムin天草
― ゆたかな内海の回復をめざして ―

1997年4月14日、293枚のギロチンで閉め切られた諫早湾
川辺川ダムの建設で、回復不能になるおそれが高まる不知火海
浚渫土砂で埋め立てられる、観光漁業の島、大築島周辺
水俣や御所浦の教訓を胸に、ゆたかな内海の回復をめざします。

日 時:2004年7月31日(土)〜8月1日(日)
場 所:河丁いろいろホール(本渡市志柿町7102−2)
参加費:1,000円

●1日目:7月31日(土)午後1時〜 5時(講演と意見交換)
 1)短期開門調査でわかったこと   堤 裕昭先生(熊本県立大学教授)
 2)中・長期開門調査をしない理由  佐々木克之先生(日本海洋学会)
 3)水俣の運動に学ぶ        宇井 純 先生(沖縄大学名誉教授)

●2日目:8月1日(日)午前9時〜12時
  漁民・市民からの問題提起と意見交換
   《有明海・不知火海をよみがえらせるために》

主催:第7回有明海・不知火海フォーラムin天草 実行委員会
    会長 山下八千代 実行委員長 寺崎幸男 
主管:よみがえれ!天草の海 実行委員会
   連絡先:生駒研二 TEL 0969-22-0674

2004年5月10日

農林水産大臣 亀井善之 様

第7回有明海・不知火海フォーラム
実行委員長 寺崎幸男

諫早湾の中・長期開門調査見送り方針の撤回を求める

 私たちは、有明海と不知火海が有する自然的・社会的価値を科学的に検証し、その賢明な利用を探究するため、1998年より毎年、両海の沿岸でフォーラムを開催してきました。ここ数回に亘って、フォーラム開催目的のひとつは諫早湾の中・長期開門調査の実施を農水省に求めることでしたが、私たちはこのような趣旨と目的を引き継ぎ、今年7月、天草で第7回有明海・不知火海フォーラムを開催します。
 去る4月27日に農林水産大臣が諫早湾の中・長期開門調査見送りの方針を表明したことに私たちは驚きました。「新たな漁業被害が生じるおそれがあり、その防止には630億円の費用と長期間の対策工事などが必要」としていますが、その妥当性は、中・長期関門調査検討会議でもまったく点検されていません。調整池からの排水による漁業被害を懸念するならば、開門調査による海水導入で調整池の水質改善を図ることが、積極策であるといえます。
 よって、ここに改めて、農林水産大臣に対しその理由を付して、中・長期開門調査見送りをせず、中・長期開門調査を早期に実施することを求めます。

1.中・長期開門調査見送りはノリ第三者委員会の提言を無視したものであり、農林水産大臣は委員会を設置した責任を果たしていません。
 諫早湾中・長期開門調査は、諫早湾干拓事業が有明海の環境に与えている影響を検証するために、2001年12月に科学者と沿岸漁業者からなる農水省ノリ第三者委員会が、その実施を農林水産大臣に対して提言したものです。その農水省ノリ第三者委員会は農林水産大臣が設置した委員会であり、短期を含め中・長期をひとつの調査としてその実施を提言したのです。その提言を短期調査だけで終息することはその提言を無視することです。短期調査では不十分であるからこそ、当初より中・長期開門調査の実施を提言していたのです。

2.中・長期開門調査見送りは沿岸の各自治体と漁民の願いを踏みにじるものであり、農林水産大臣の政治的責任は重いといえます。
 最近では、福岡、熊本、佐賀3県の議会と行政庁を始め、沿岸の30を超える自治体の議会でも調査実施の要請が決議されています。また、各地の漁民も、中・長期開門調査に有明海と不知火海の漁業不振の原因追究求め、漁業復活の願いを託していました。これらを無視することは、断じて認められません。

3.農林水産大臣には、諫早湾干拓事業と有明海・不知火海の影響悪化との関係を明らかにする責任があり、有効な代替手段が示されない中・長期開門調査見送りは許されません。
 農水省は、短期開門調査やシミュレーションによる検討の結果として、「諫早湾干拓事業による有明海への影響はほとんど認められない」としていますが、これに対しては、有明海・八代海総合調査評価委員会の委員や、多くの研究者から厳しい批判がなされており、農水省の見解を支持する研究者は皆無と言ってよいと思われます。また、中・長期開門調査では影響の検証が難しいとする理由についても、海洋調査の意義を否定した非科学的な姿勢との批判があります。中・長期開門調査を見送るのであれば、農水省には有明海の環境悪化が諫早湾干拓を主因とするものではないことを証明する責任があります。実地調査である中・長期開門調査に代わる有効な検証方法が示されないまま、中・長期開門調査実施を見送ることは断じて許されません。

 最後に、農水省は干拓工事を即時中断して中・長期開門調査を実施し、調査期間中に事業そのものの意義も改めて検証すべきである。その上で、干潟や潮流の回復を基本とした有明海再生という視点に立って、干拓事業の中止を含めた政策転換を行うことを強く求めます。


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