前面堤防着工の動きを監視する漁民が阻止

  諫早湾干拓の前面堤防の着工を阻止するために、7月29日から有明海沿岸4県の漁業者が工事現場周辺で監視活動を始めました。農水省は8月上旬から前面堤防工事を行うとしていますが、早くも29日朝に工事資材の搬入と思われる動きがあり、漁業者らの監視活動によって中止となりました。

 現地のメンバーからの情報によりますと、29日の午前7時頃から、諫早湾調整池の北岸にある白浜の船着場付近に「土壌固化」などと書かれた十数台の工事作業車と50〜60人ほどの作業員が集結。監視活動を行っていた漁民らがそれを発見し、作業の内容などについて質問すると、答えることなく9時頃にそのまま撤収したそうです。「今日の資材搬入を干拓事務所の判断で中止した」という話を、現地の警察から聞いたという情報もありました。

 中央干拓地に通じるメインの工事用ゲートでは、特に動きはなく、白浜での動きはその場にマスコミ記者が居合わせなかったため、29日付けの報道では流れていません。監視活動が行われていなければ、今年1月の干拓工事再開の時と同様に「裏口」から工事車両や資材の搬入が行われていた可能性があります

 前面堤防は造成中の干拓地を囲む内部堤防の前面部分で、この堤防が完成すると、干拓地が完全に遮断されてしまい、干潟の再生や、第三者委員会が提言している中・長期での開門調査も困難になります。福岡・佐賀・熊本の3県漁連も工事着工に対して正式に反対を表明しています。前面堤防工事に反対する私たちの活動や、現地で監視活動を続ける漁業者に引き続きご支援をお願いいたします。


干拓工事現場周辺での監視活動(7月29日)


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