有明海産の貝類は250種ほどが報告されているが、よく似た二枚貝にアカガイ(赤貝)、サルボウ(猿頬)、ハイガイ(灰貝)がある。干陸化した干潟に累々と無惨な姿を晒しているのはハイガイである。干潟の表層部に棲息していた関係で、死滅が速かったと推測される。

 三種の区別は溝の肋で判定ができる。ハイガイは18条ほどで殻に粗めの顆粒があるため、容易に区別できよう。アカガイは42条ほど、サルボウは38条ほどである。

 サルボウはザルボウとかミロクガイとかさまざまな呼び方がされているが、それだけ湾岸域の暮らしに親しまれていることを物語っている。モガイ(藻貝)はサルボウの子貝のことである。湾では、閉め切り以降5月の連休日ころまで、このモガイが大量にとれた。水位がまだマイナス1メートルになっていなかったので漁船の航行は不自由しなかった。今、調整池への水路はヘドロ化が進み、写真の親船の航行は不可能となってしまった。

 *イサハヤ干潟通信第6号より転載*


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