養殖ノリの不作と漁業者による抗議行動(2000年1月)

 昨年末からの有明海の養殖ノリ不作と、沿岸漁業者を中心とした諌早湾干拓事業に対する抗議行動について、各紙の報道や現地からの報告をとりまとめてお伝えします。(掲載した写真はすべて1月1日の海上デモの模様です)

 

●タイラギに続いて、ノリ養殖も不振
 これまで、諌早湾干拓事業が原因とみられる有明海の漁業不振として、二枚貝タイラギの不漁、大量死が大きな問題となっていました。長崎県の小長井漁業では12月初旬に、8年連続でタイラギの休漁を決定。12月の長崎県議会でもタイラギの不漁問題が取り上げられています。
 一方、養殖ノリも1999年度の佐賀県の生産高が前年の約1割減少したなどの発表が12月初旬にありましたが、2000年11月の福岡県の生産高は前年に比べ、2〜3割減少しており、ノリの不振はさらに拡大する様相に。

 

●元日、ノリ業者による海上デモ
 1月1日の午前、福岡県、佐賀県のノリ養殖業者を中心とした漁協有志約1000人が、100隻余りの漁船を連ねて、諌早湾潮受け堤防前で抗議デモを決行。「干拓中止、水門開放」を訴え約300人が堤防に上陸。沿岸からは地元市民団体や、年末に原爆の火を長崎に運んだピースウォークの一行が横断幕を掲げて、海上デモを支援しました。
 6日には、福岡県の有明海漁協が赤潮によるノリの「色おち」被害に、好転の見通しがないとして、ノリ網の一斉撤去を決定。4県漁連の合同会議を19日に佐賀で開くことを取り決めました。7日には佐賀、10日には熊本でもノリ網の自主撤去が始まっています。
 9日の福岡県議会では県のノリ生産高が前年同期に比べ半減していることが報告され、知事が、長崎、佐賀、熊本の3県と共同して原因究明を行うと明言しました。

 

●福岡県、佐賀県の漁連が工事中止を要請
 1月10日にはついに、福岡県有明海漁連が、諌早湾干拓事務所にたいして「工事中止、水門開放」の申し入れを行い、回答しだいでは実力阻止もあり得ると表明しました。
 11日、福岡県の大和町議会は天災融資法の適用を国に対して要請していくことを決定。
 12日には4県の担当者による対策合同会議が熊本県で開かれ、有明海全域で同時に赤潮が発生し、収束する状況にないことを確認。ノリの生産量が福岡、佐賀で昨年の4割、熊本、長崎で昨年の7割まで落ち込んでおり、過去最悪の凶作であることが報告されました。引き続き19日には4県でつくる「有明海沿岸四県水産連絡協議会」が佐賀市で緊急対策会議を開き協議を行う予定です。
 同日12日には、佐賀県の有明海漁連も干拓事務所に対して「工事中止、水門開放」を申し入れ。干拓事務所は干拓工事に原因を特定できないとの従来の説明を繰り返しました。
 続く13日には佐賀県東部漁協の青年部員を中心に、漁船約300隻が諌早湾排水門前に結集し、今年に入っての2回目、97年の閉め切り以降、最大規模の海上デモを挙行。船上で干拓事務所の担当者に対し抗議文を手渡しました。