報道ダイジェスト 2000年4月


●4月4日 西日本新聞
諫早のNGOが干潟再生シンポ開催へ
●4月7日 共同通信
オランダの役人招きシンポ 諫早湾干拓で反対派

 4月14日で諫早湾が閉め切られて丸3年となるのにあわせ、諫早干潟緊急救済本部では15、16日の両日、諌早市でシンポジウム「オランダの干拓に学ぶ―諫早湾干拓をどうするか?」を開く。オランダの水害防止事業に携わるヨス・ヴァン・ヘース氏や日韓のNGOメンバーが参加し、諫早湾干潟の再生について考える。


●4月7日 朝日新聞
諌早の排水門「開放できぬ」干拓事務所、漁協に説明

 九州農政局諌早干拓事務所は6日、佐賀県太良町の大浦漁協で、諌早湾干拓事業の説明会を開いた。3月に同漁協の漁民有志が排水門の開放を求めて漁船デモをしたことを受けて開かれたもの。干拓事務所の「排水門は開放できない」との説明に漁民側は納得せず、九州農政局長との話し合いを求めた。


●4月9日 長崎新聞
「時のアセス」は情報公開徹底を 閉め切り丸3年控え 東京で諫干シンポ

 諫早干潟緊急救済東京事務所主催によるシンポジウム「どうする?諫早湾」が8日、東京・池袋で開催された。諫早干潟緊急救済本部の山下弘文代表は漁民の抗議行動など諫早湾の現状を報告。環境総合研究所の青山貞一所長は調整池の水質調査結果を解析し、水質の悪化が環境基準を大幅に越えていることを指摘した。東京工業大学の原科幸彦教授は、来年度の再評価(時のアセス)に当たって、徹底した情報公開と市民参加の必要性を訴えた。


●4月10日 テレビ長崎
生きろ諫早湾写真展

 諫早湾の写真と全国から寄せられた諫早湾への思いをつづった本「生きろ諫早湾」の出版を記念して、10日から長崎市民会館で「生きろ諫早湾」写真展が始まった。会場では30年以上見つめてきた5人のカメラマンたちによる諫早湾の写真134点が展示されている。写真展は16日まで。


●4月12日 朝日新聞
漁業影響の表現弱める 諌早湾干拓前身事業アセスメント

 国営諌早湾干拓事業の前身にあたる「長崎県南部総合開発計画(南総)」の環境影響評価(環境アセスメント)のうち、漁業への影響についての記述が少なくても10カ所以上、学者がまとめた調査報告書の表現を著しく弱めたり省略したりしていたことが11日、関係者の話でわかった。諫早湾干拓事業のアセスメントは南総のものを基にして作られており、想定以上に漁業被害が出ていることから、アセスメントの見直しを求める動きも強まりそう。九州農政局は内容の改ざんはあり得ないとしている。


●4月12日 テレビ長崎
干潟ウィーク 常設テント小屋

 干拓事業の見直しを訴えている市民団体は、12日から16日を「諫早ウィーク」としてイベントを開催する。会場となっている諫早湾の白浜桟橋ではテント小屋が常設され、湾閉め切り前の写真パネルなどを展示。14日には諫早市内でロウソク行列を行うほか、16日にはライブコンサートやフリーマーケットなどを開催する。


●4月14日 読売新聞
諫早湾閉め切り3年、赤潮や漁業不振で海上デモ
●4月14日 共同通信
干潟の生き物を供養 諫早湾閉め切りから3年
漁船60隻が海上デモ 諫早湾の水門開放求め
諫早市でも市民らが集会

●4月14日 テレビ長崎
諌早湾閉め切り3年・佐賀の漁民が海上デモ
諌干リレートーク
諫干反対慰霊祭

●4月14日 朝日新聞
諌早湾が閉め切られて3年 市民団体が慰霊祭・デモ行進
●4月14日 西日本新聞
諫早湾閉め切りから丸3年 地元住民ら100人がムツゴウロウ慰霊祭
「干潟再生」願い 漁船で抗議 水門開放訴える
●4月15日 西日本新聞
干潟再生願う灯 諫早市で市民団体集会 水門開放など訴え
●4月15日 長崎新聞
諌干潮止めから3年、佐賀漁民海上デモ
●4月15日 佐賀新聞
水門開放求め海上デモ

 諫早湾の閉め切りから丸3年を迎えた14日の午前、干拓事業で死んだ生き物たちを追悼する慰霊祭が本明川河口の白浜海岸で開かれた。「諫早湾を憂える大牟田・荒尾の仲間たち」などの主催によるもので、メンバーや地元住民ら約100人が参加し、閉め切り時刻の午前11時20分に合わせ「諫早干潟痛恨の碑」の前で黙祷した。
 また、佐賀県大良町の大浦漁協同組合の振興研究部や組合員有志は、約60隻の漁船を潮受け堤防の排水門前に集結させ、「タイラギの不漁などは干拓事業が原因」と抗議し、排水門の即時解放と事業中止を求める海上デモを繰り広げた。堤防閉め切り後では最大規模の漁民の抗議行動となった。

 14日夕方には、市民団体が市内の繁華街で「リレートーク」を開催。5人がマイクを握り、干拓事業の問題点などを通行人に訴えた。
 また、諫早市役所前広場では諫早干潟緊急救済本部などの主催による集会が開かれ、「韓国湿地保全連帯会議」の金敬源事務局長が「韓国でも干拓事業が進んでいる。諫早湾の水門を開けることは、韓国の干潟を守ることにもつながる」と連帯を呼びかけた。その後、集会参加者約50人は事業の中止などを訴え、市内をデモ行進した。
 別の市民グループも14日夕方に本明川の河川敷でロウソクを並べて「イサハヤ 2000 4・14」と炎の文字を浮かび上がらせ、干潟再生をアピールした。


●4月15日 西日本新聞
干潟再生求め共産党が声明

 共産党長崎県委員会は14日、県庁で記者会見し、干潟の再生などを求める声明を発表した。声明では、調整池の水質改善は進まず、周辺漁場への影響を与えていると指摘。国と県が第三者機関による漁業被害の原因究明を行うよう求め、2001年に予定される「時のアセスメント」でも徹底した情報公開と科学的検証を要求した。


●4月16日 西日本新聞
諫早湾シンポ 「環境再生と防災は両立」
高潮時に閉門し大半は開放…オランダの実例など報告
●4月17日 長崎新聞
「ワカメ養殖に影響」―諌早湾干拓でシンポ

 諫早干拓緊急救済本部主催によるシンポジウム「オランダの干拓に学ぶ―諫早湾干拓をどうするか」が15・16日、諫早市長田町の「みのり会館」で開催された。シンポジウムには約200人が参加した。
 15日は、オランダ交通公共事業水管理省のヨス・ヴァン・ヘース博士が講演し、オランダにおける干拓事業の見直しについて実例を報告。高潮時には排水門を閉め、それ以外の大半の時間を開放することで、環境再生と防災の両立ができることを強調した。14日に海上デモを行った 佐賀県大浦漁協のメンバーは「不漁で漁民は生活できない」など訴え、排水門を開放し、計画の見直しなどを求めた「漁民の行動を支持する緊急声明」が採択された。
 16日には、島原市の漁業者が養殖ワカメの被害について干拓事業の影響を指摘したほか、韓国の湿地保護運動が報告された。


●4月17日 テレビ長崎
諌早市長再選一夜明けて

 任期満了に伴い16日に告示された諌早市の市長選挙は、現職の吉次邦夫氏が無投票で再選された。諌早市長選挙が無投票となったのは32年ぶり。吉次氏は県の教育長などを歴任した後、4年前の選挙で現職を破り初当選。今回は自民党など5党の推薦を受け市民との対話をモットーに防災の町づくりなどを掲げて出馬した。


●4月21日 テレビ長崎
諫早湾干拓営農構想検討委員会最終会合

 諫早湾干拓営農構想検討委員会は干拓工事完成後の農地の利用について、環境保全型の農業を展開し、大量仕入れに対応した流通形態を実現するなどとした営農構想を承認した。農地のリース制度の検討など、入植する農家への支援策も含まれている。干拓事業計画では平成15年度から部分的に農地の使用を開始する予定。


●4月26日 テレビ長崎
諌干見直し申し入れ

 諌早湾干拓の見直しを訴えている「諫早湾の干潟を守る長崎県共同センター」は26日、潮受け堤防の水門を開放し、来年度実施される事業の再評価の際には自然保護団体や漁業関係者などから意見を聞くことなど国に要求するよう、長崎県に申し入れた。これに対し県の白浜重晴農林部長は、周辺への影響を考えると水門を開けるのは困難だとし、これまで通り干拓事業をすすめる立場を示した。


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