97年7月10日 諫早湾周辺の水害状況写真-1

 7月6日から降り始めた雨は、この日10日でピークに達した。すでに前日9日から各干拓地では冠水が始まり、ポンプ場(排水機場)の運転が農民たちの手で行われた。この辺りでは当たり前の光景。それは潮受堤防ができた後も変わらないようだった。

 10日、ついに森山町を流れる二反田川があふれ出した。冠水は国道57号、島原鉄道のレールにまで達し、水田はまるで海のよう。至るところで土のうを積む消防団や小学生の集団下校の姿が見られた。町役場のまわりも「水攻め」された。町長始め職員たちは「潮受堤防の防災効果」をどう考えていたのだろう。

 冠水被害は国道より山沿い(上流)が特にひどかったし、冠水が始まるのも早かった。つまり下流域でいくら自然排水が良好でも、冠水はするのだ。ポンプの効果も同じこと。これは潮の干満のみが冠水被害を左右するものではないことを示している。


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森山・国道57号

森山・二反田川

森山・二反田川わき

諫早・黒崎排水機場

諫早・河内町不知火橋

諫早・河内町


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