諫早湾自然の権利訴訟 1999年10月23日現地検証指示説明書

(15)白浜海岸
原告側
指示説明
1 本明川河口付近である。本明川からくる土砂が堆積し浅くなっている。さらに下流方向には三角州があり河口を塞ぐように発達しつつある。

2 この地点でも既存堤防をみることができるが、この地点の堤防は約100メートルにわたって一夜のうちに陥没し、堤防上部まで干潟に埋没した。

3 この海岸には漁師らの船着き場があり、多数の小舟がもやっていた(小舟が連なって停泊している様子のこと)。この海岸には本明川の川筋があり、対岸部には広大な干潟が広がり、やはり多数の生物が生息していた。締切直後の干上がった干潟にはおびただしい数のハイガイ、カキの死骸で埋め尽くされた。現在ではそれらの様子も草で覆われた。

4 この地点では多くの黄色の布が掲げられている。これらは干潟の再生を願って全国から寄せられたものである。潮受け以降毎年4月14日ころには「干潟の日」の行事が行われているが、この地点に建てられている木の柱は諫早干潟の生物たちの追悼碑である。
被告側
指示説明
潮受堤防締切りによる河口閉鎖という事実は認められない。
(16)小江干拓試験圃場
原告側
指示説明
 干拓事業完成後の農地についてはいかなる作物が耕作されるかは明確になっていない。ここは実験ほ場があるが、盛土が行われ地盤が高くされているため排水が良好である。その結果、冠水に著しく弱い野菜栽培であっても、それが可能となっている。この点、中央干拓地と異なる。
被告側
指示説明
 国営諫早干拓事業で造成された小江干拓地の試験圃場である。同地で作付けされた作物は順調に生育しており、同事業により優良農地を造成することは可能である。
 中央干拓地及び小江干拓地の農地の整備水準に差異はない。


黄色いハンカチが掲げられた白浜海岸


脱塩用の溝が掘られている小江干拓試験圃場


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