諫早湾自然の権利訴訟 1999年10月23日現地検証指示説明書

  (7)有明川河口集合場所付近 (8)千鳥川樋門
原告側
指示説明
 ここより有明海に向かって干拓地が広がる。この地点からは中阿母新田、野井沖新田を見ることができる。この地域は潮受堤防より逆に自然排水を妨げられ、土砂の堆積も増悪した。
 雨水により調整池内の水位が上がりこの地点の干拓地は自然排水が困難になる事態が生じた。潮受堤防建設以前は干潮時に排水可能であったものが(干潮時は最大マイナス二・五メートルであった。)干潮時間帯を経過しても水位の減少が起こらないために自然排水が困難となったのである。最近では平成一一年七月から八月にかけてこのような事態が生じていた。このほかにも、この地域には雨が降らなくとも、有明川上流部に雨があった場合にはやはり調整池の水位が上がり、やはり自然排水が困難な事態となった。
 従来干潮時に海に排出されていた土砂が、干潮が無くなったことに加えて、潮受堤防により流れが堰き止められたために千鳥川には大量に土砂が堆積するようになった。この地点から堆積した土砂を浚渫し、河道を広げた様子をみることができる。この現象は調整池に注ぐ他の河川でもみることができる。
被告側
指示説明
 潮受堤防完成により常時安定的な自然排水が可能となっている。
 また、潮受堤防の締切りにより千鳥川に大量の土砂が堆積するようになった事実はなく、右土砂の堆積は潮受堤防締切り以前からあったものである。
 千鳥川樋門は背後地である農地からの排水を行うための施設であり、潮受堤防締切り後は調整池の水位を一定(標高マイナス1.0メートル)に管理していることから、常時の排水が可能となっている。
 また、潮受堤防締切り前は潮汐により樋門前面に潟土が堆積し、定期の浚渫作業が欠かせなかったが、締切り後は澪筋確保も容易になり、従前のような定期の浚渫作業は不要となっている。


千鳥川樋門付近。右手が野井沖新田(旧干拓地)


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