諫早干拓調整池の水質について(要約)

1) 堤防締切り以後のB2地点水質の主要な因子をグラフにしてみると添付の図のようになる。これから一定の傾向、あるいは落ち着く範囲を見出すことは困難である。しいていえば、CODが5ppm付近、塩素イオンが1,000-3,000ppmの範囲であろうか。これも確実なものではない。
本明川などから流入する淡水の水質が、本来COD、肥料分などが大きいために、放置すれば腐って水質が悪化する。光合成によって藻類が増殖しCODはかえって増加することもある。これまでこの範囲の水質は放置すれば改善されるものと思われてきたが、実際はそう簡単ではないらしい。この範囲を対象とした研究も少ない。
水質悪化の原因は、大きな浄化能力を持つ干潟をつぶしてしまったことにある。その機能を、人間が作った技術で置き換えることは不可能である。おそらく現状復帰しか改善の方法はないのではあるまいか。
このような水質の予測は計算では不可能で、実例を見るしかない。児島湖の例や、霞ヶ浦の淡水化などを参考にすることで、ある程度予想されたことである。
2) 淡水化の事業とは別に、諫早市の下水は処理しなければならないが、汚染負荷は下水以外にもあると思われる。下水を処理しても、1)の状況はあまり変わらないであろう。干潟を元に戻すしかない。その一部で下水処理をすることは可能である。またその処理水は農業用水には利用できる。
3) 塩素イオン1,000-3,000ppmという範囲は、望ましくないがまったく使えないということもない。しかし用途はかなり制限され、限られた種類の作物しか作れないであろう。ここでは農業専門家の意見を聞きたい。水産用水としても同様であろう。


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