「干潟を守る日」宣言 賛同者を募集しています

 諫早干潟緊急救済本部・同東京事務所では、諫早湾潮受け堤防が閉め切られた4月14日を「干潟を守る日」とする宣言を発表しました。この宣言は、4月14日を「干潟を守る日」とすることで、諫早湾干潟をはじめとする全国の干潟や湿地の大切さを多くの人に認識してもらい、その保護や再生を求めていこうというものもです。
 ご賛同いただける方は、賛同メッセージ用紙をプリントアウトしてご記入の上、下記の諫早干潟緊急救済東京事務所まで郵送かFAXでお送りください。また賛同者募集にご協力いただける方は、同事務所までご連絡いただければ、用紙をお送りいたします。

「干潟を守る日」宣言

一、4月14日を干潟を守る日とします。

二、私たちは干潟の価値を知り、貴重な干潟をこれ以上失うことがないよう、干潟を守りながら共に生きて行く道を選びます。

 1997年4月14日、有明海諫早湾3,000haの干潟を消滅させる293枚の鉄板が落とされました。この衝撃的な映像が全国に流された瞬間、それを目のあたりにした1人1人が、公共事業の理不尽さと、大切なものを失う痛みを感じました。

 この諫早湾での「ムツゴロウを救おう」という言葉の本質は、干潟に潜む多様な生物たちの営みがもたらす恩恵(環境浄化、渡り鳥にとっての餌場)や干潟自体が持つ価値(沖合の魚やカニたちにとっての産卵の場など)が貴重な資産であることを指しています。

 日本は、ラムサール条約、二国間渡り鳥条約、生物多様性条約などの国際条約に加盟しており、国内に残された貴重な干潟を中心とするウェットランドの保護・保全と賢明な利用に努めることが、国際的に求められています。さらに政府は、生物多様性国家戦略の中で、ウェットランドの保護・保全を謳い上げました。にもかかわらず、国内外の批判をよそに、諫早湾では矛盾点を抱えたまま工事は継続され、今また伊勢湾藤前干潟、博多湾和白干潟、北九州曽根干潟、東京湾三番瀬干潟、四国吉野川河口干潟など、公共事業として自然環境を破壊する開発が進められようとしています。まさに干潟は消滅の危機にさらされています。このままでは今後50年以内に、国際的に重要な日本の干潟のほとんどが消滅に向かうことは明らかでしょう。

 21世紀は、生物との共存が最大の課題となると思われます。そこで私たちは、国内の干潟を中心とするウェットランドの保護・保全とその賢明な利用に声を上げて行きます。今や「環境か、開発か」ではなく、「環境保全型の開発か、環境破壊型の開発か」を問わなければならない時代に踏み込んでいると考えます。

 私たちは、4月14日という日を永久に記憶に留めつつ、この日を「干潟を守る日」と宣言します。そして毎年4月14日を中心に、国内各地で干潟を知り、干潟とつきあう活動を通じて、干潟を守り、干潟と共に生きる人々の輪を広げて行きます。

1998年4月14日


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