「議員の会」の質問に対し農水省が回答

 「諫早湾を考える議員の会」が、平成9年11月13日に、農林水産大臣宛に提出した質問書への回答が来ました。以下がその質問と回答です。


諫早湾において「潮止め」が実施されてからすでに6ヶ月以上が経過しましたが、私たち超党派国会議員96人からなる「諫早湾を考える議員の会」は、潮止め以来、諫早湾干拓事業に関する質問主意書の提出、農水省・環境庁等との話合いなどを続けてきました。

私たちは、これまでの農水省等との議論を通じて、諫早湾干拓事業に関わる様々な矛盾や疑問点が明らかになってきたと認識しています。そのなかでも、特に重要と思われる以下の3点に関して早急にご回答ならびに対応をお願いいたします。

  1. (質問)農水省は、諌早の調整池に海水が流入していることを認めるか。認めるとすれば、潮受け堤防のどの部分から、どの程度の水量で、いつごろから海水の流入があったのか。また、もし、大量の海水の浸透があるとすれば、水質の悪化についての水質委員会の判断の与件が大きく変わることになる。したがって、開放水系のもとでの水質委員会の湾内水質の判断は意味をなさなくなるのではないか。

    (回答)潮受堤防は現在工事中であり、仮締切り区間の一部に未だ蓋止め石が露出している区間が残っており、外海の潮位が上昇すると、この区間で海水の浸透が見られます。
    この現象は工事途中の一時的なものであり、この区間の堤防の盛り立てが完成すれば浸透は大幅に減少します。
    なお、現在、諫早湾調整地等水質委員会を設け、定期的に収集している水質データをもとに、専門家の意見を聞きながら、調整地の水質保全のための所要の対策を講ずることとしております。

  2. 諌早湾自然の権利訴訟(ムツゴロウ裁判)で農水省が証拠として提出した資料の中に、一部が黒塗りになっている資料があるが、完全な資料の提出を求める。

    回答)ご指摘の資料は全体実施設計書と思われますが、請求された全体実施設計の内容が全て提示しています。
    黒塗りした部分は関係機関との打ち合わせ状況の記録等であり、全体実施設計の内容を構成するものではないので、このような取り扱いをしたものです。
    (農水省江頭開発課長の回答)2に関しては、全体計画の内容ではなく、内部での議論の議事録等なので、提出はできない。

  3. 長崎南部総合開発計画に関わる環境影響評価書(九州農政局作成)及び昭和52年3月作成(環境編)、昭和52年5月作成(漁業編)、昭和54年3月作成(漁業編2)の「諫早湾淡水湖造成に伴う湾外漁業に与える環境影響調査報告書(九州農政局、長崎南部総合開発調査事務所作成)」の提出を求める。

    (回答)ご請求の資料を作成・使用した長崎南部地域総合開発計画は取り止めとなったものです。
    (農水省江頭開発課長の回答)3に関しては、現在引き続き探している。


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