諫早湾干拓事業が有明海にもたらしている悪影響とその仕組みについて、多くの人たちに分かりやすく伝えたい、そんな思いから環境ＮＧＯが自主的に制作したビデオ「ありあけ・いさはや、宝の海のメカニズム」が完成しました。

　このビデオは、日本自然保護協会、有明海漁民市民・ネットワーク、諫早干潟緊急救済東京事務所、サステナが中心となり、この企画に賛同した多くのアーティスト、クリエーターの協力を得て、実現したものです。現代的なセンスの音楽や映像をバックに、諫早湾干拓と有明海の環境悪化の因果関係を科学的に説明する、ミュージッククリップのような親しみやすいスタイルのビデオです。

　ビデオでは、諫早湾の閉め切りを原因とする有明海の潮流・潮汐の減衰や干潟の浄化作用の喪失が、海中の酸素不足や赤潮発生などを引き起こし、養殖ノリの色落ちや水産資源の減少など、「有明海異変」と呼ばれる深刻な漁業不振をもたらしていることを、分かりやすいナレーションと映像やイラストで解説しました。

■一流のクリエーターによる映像や音楽

　渡り鳥やムツゴロウといった干潟の生物や、潮受け堤防や干拓地の工事風景などの貴重な映像は、長年、諫早干潟の自然や漁業者の生活を撮影してきた岩永勝敏さん、テレビ朝日「ニュースステーション」の制作プロダクションであるデナクリエーションに提供していただきました。

　映像の構成では、ユーミンや小泉今日子などのアートワークを手がける信藤三雄さんがディレクターをつとめ、ミスターチルドレン、サザンオールスターズなどをプロデュースしている小林武史さんが音楽を担当しました。ビデオの挿入歌「砂」は、岩井俊二監督作品「リリイ・シュシュのすべて」に出演したサリュさんが歌っています。

■諫早干潟と有明海の再生のために

　このビデオの収益金は有明海や諌早干潟の再生のための活動に使われます。ビデオを通して、諫早湾干拓事業の問題点や有明海の現状を知っていただくとともに、諫早湾干拓問題で活動する私たちＮＧＯを資金的に支援していただく意味でも、ぜひ購入にご協力ください。

　購入申し込みは、下記の要領で諫早干潟緊急救済東京事務所までお願いします。なお、日本自然保護協会でもこのビデオを販売しています。日本自然保護協会からの購入については、同会のホームページをご覧ください。（配達方法が違うため送料が異なります）

※このビデオの制作には、（株）日興コーディアルグループのご協力によりＷＷＦジャパンに設立されました「ＷＷＦ・日興グリーンインベスターズ基金」助成の一部を使用させていただきました。